どくしょにっき。

読んだ本の感想を書いていきます。本のチョイスはテキトーです。

やっぱり英語をやりたい!

こんにちは、霜月です。

鳥飼玖美子さんの書かれた「やっぱり英語をやりたい!」を読んだので、過度なネタバレを避けつつ感想を書いていこうと思います!

 

あらすじ

以下、Amazonからの引用です。

英語ができるようになりたいと思っていても、成果が出ない、または過去に挫折したという経験を持つ人は多いだろう。一方で、独学で英語を身につける人もいる。いったい、どんなやり方をしているのか? 本書では、英語学習者の多くが抱くであろう切実な疑問に著者が答える形で、英語上達の秘訣を披露。英語の達人や著名人の勉強法も紹介され、自分に合った学び方のヒントが満載。インターネットや動画、AIの普及で、今やお金をかけなくても英語が身につく方法は無数にある。読み終わる頃には「今すぐ【「今すぐ」に傍点】英語をやりたい!」と思うこと、間違いなし。

 

読もうと思ったキッカケ

本屋さんをふらついていたら目に止まったので購入!

 

感想

本書は淡々としており少々辛口(?)なのですが、英語を学ぶのは何歳からだっていいんだよ、ということがよーく伝わりました。そして、日本人の英語コンプレックスに正面から向き合ってくれてる本です。私は仕事で英語の使用シーンが多く、挫けることが多々あるのですが、粛々と努力しようと改めて思えました。

 

第1章:英語を学ぶ

本書ではまず英語を学ぶと言うこと、について綴られています。正直、第1章だけでお腹いっぱいの内容でした。初っ端から「ぎくっ」としたのですが、

「英語なんて所詮は道具なんだよ」と割り切りたい意識の真相にあるのは、英語に対する潜在的なコンプレックスではないか。

日本人の多くは「英語は必要だ」「英語がないとこれから生きていけない」と誰もが思っているのに、「英語なんて道具なんだからスキルとしてやればいい」とも同時に思っている節があります。発音についても同様。心の中ではネイティブのように発音したいと思っていても「英語らしく発音するのは恥ずかしい」という風潮を作ったり。これらは共通してコンプレックスから生まれているのではないか?と著者は感じているようです。

しかし、英語はそんなに簡単ではないので、努力した分だけ右肩上がりには上達しません。AIですら「語学は時間をかけて学ぶしかない」と言っているようです。著者も、1年で習得できるなんて思ってはいけない、と断言しています。

とはいえ、それにもちゃんと理由があります。語学を習得する上での難易度が設けられており(米国政府国務省)、カテゴリが1〜4まであるのですが、「英語と近い関係にある」「英語と似ている」とされるオランダ語スペイン語・イタリア語、等と比べ、「英語母語話者には並外れて難しい」とされる言語には日本語・中国語・韓国語が該当するようです。それはつまり、日本語を母語にする人にとっても、英語を習得することは「並外れて難しい」に該当するのです。そりゃ、英語学習に挫折しますわ...。

「日本の母語が英語だったらこんなに苦労しなくても済んだのに」と思うこともあります。しかし、これについても著者が解説しています。日本が英国の植民地にならなかったからです。世界には英国ではないのに英語を話す国がありますが、どうしても歴史的な背景が関わってきています。「現地の言語を奪う立場」としては日本も例外ではなく、台湾・朝鮮半島ミャンマーの言語を奪った歴史があります。著者は海外のカンファレンスでイタリア人の研究者にこう言われたそうです。

言葉を奪われた側はそのことを忘れない。奪った方は忘れるが。

 

第2章:英語を話す

本章では英語を話せるようになるにはどのような勉強をしたらいいのか?について綴られています。よく耳にしたことありますが、海外の映画やドラマを見ることは「こう言うシーンでこういう言い方をするのか」と状況に合わせたフレーズの把握ができるため、効果的だそうです。しかし、話すと言う行為は「発話」なので受け身でいても話せるようにはならないので、オンライン英会話などで練習しましょう。...私もオンライン英会話を数年間続けてます!15分でもいいので毎日触れることが重要だそうです。そりゃそうだ!

 

第3章:「話すこと」を支える力

本章では読み書き及びリスニングについて綴られています。英語力を伸ばすのは満遍なくスキルを伸ばす必要があります。

  1. 読む:自分の興味のある分野で良い。多読と精読をバランス良く。
  2. 聞く:語彙力増やして英語に触れる。聞き流しはNG。
  3. 話す:ネイティブ信仰を捨てるべし。わかりやすさを重視。音読も効果的。

 

ジブリ映画の魔女の宅急便は約91%が中学英語なのだそうです。字幕で見ればほぼわかるのに、音だと弱く発音されるため聞き取れないことが多いだとか。

また、ネイティブの赤ちゃんですら、最初は「ばー」等の意味のない音から「ママ」になり、次に使用単語が2語になり、少しづつ会話ができるようになるそうです。母語が完成するのは10歳だとか。ネイティブで10年なら第二言語話者がちょっと勉強したところできるようになるわけないですね。

 

第4章:自分にあった学習法を見つける

本章では様々な方の勉強法が紹介されています。また、英語が上達しないのを年齢のせいにするな、受験英語が役に立たないとか言うな、と著者の熱い気持ちが綴られています。

 

第5章:訳すということ

本章ではAIの翻訳精度についてまとめられています。著者は英語の専門家ですがAIについてもよく調べられてるようです。

 

第6章:これからの英語学習を考える

最終章は語学を学ぶだけでなくその国の文化も学ぶ姿勢が大事だと言うことが綴られています。その中で紹介されていた「ファミリア」というブラジルからの移民者と地方の住民の軋轢を描いた映画が面白そうでした。

 

本書は英語学習に苦戦している方に喝を入れてくれる本だと感じました!