こんにちは、霜月です。
壇俊光さんの書かれた「Winny 天才プログラマー金子勇との7年半」を読んだので、過度なネタバレを避けつつ感想を書いていこうと思います!本書は超おすすめです。
あらすじ
以下、Amazonからの引用です。
インターネット上のビジネスに欠かせないP2P(ピア・ツー・ピア)技術。その可能性を開拓した「Winny」の開発者・金子勇は、2004年、「著作権法違反幇助」の疑いで逮捕・起訴され、無罪判決が確定するまでに7年半もの年月がかかりました。
本書は、「Winny事件」弁護団の事務局長を務めた壇俊光氏が自身のブログを元に小説としてまとめたものです。日本のインターネット技術の発展に負の影響を残したと言われる裁判の経緯を追いながら、壇弁護士が見た金子氏の人物像、Winnyの核心を語ります。
推薦文は、2ちゃんねる開設者・ひろゆき氏から寄せられました。
読もうと思ったキッカケ
当時は本当に衝撃的だったし、無罪になって安心したし、2023年の映画も見たので!
感想
内容はある程度理解した上で読みましたが、やはり胸を揺さぶられました。もし逮捕になんかなっていなかったら、日本は世界をリードするIT大国になっていたはずだと思います。YouTubeもTwitterもFacebookも、誰よりも先に似たような技術を思いついたとしても、「違法な動画がアップロードされたら逮捕されるから」と開発を尻込みした人が、日本には実際にいたようです。因みに、2ちゃんのひろゆきも、掲示板で違法なやり取りが行われていたからといって訴えられそうになったこともあったんですが、壇さんが弁護人としてついてくれて不起訴になったそうな。あ、コインハイブ事件も忘れてはいけませんね。
1章:捜査弁護
第1章は胸熱です。2003年11月27日、金子さん逮捕から弁護団が動いていきます。そして、2ちゃんで寄付金も募って1,600万も集まったとのこと。「47シガンガレ」名義はうるっときました。それなのに「シャチハタ男」は笑ってしまいましたw
何故Winnyを作ったのか?の問いの答えが「そこに山があったから」なのも、ITに限らず技術者からしたら別に妥当な理由ですよね。
2章:起訴から公判まで
第2章も胸熱です。金子さんの自由奔放エピソードにクスッとしつつ。
「私は自分の人生のうち5年を貴方のために使う。貴方は残りの人生を、これから日本で生まれてくる技術者のために使って欲しい」
金子の答えは、
「ハイ。今までもそうでしたし」
ここで泣かない人いるんですかねえ。
3章:1審弁護―前哨戦
第3章はやや胸糞。短いですがひろゆきが登場w
4章:1審弁護―警察証人尋問
第4章も胸熱。有名な「満えい」エピソードが載ってます。
5章:1審弁護―技術立証
第5章も胸熱。カプセルマンと村井純先生が登場w w
あと、「Winnyの技術」という本についても触れられてます。
6章:1審弁護―被告人質問
第6章はやや胸糞。この検察官なんなんだ!!
7章:地裁判決
第7章はマジで胸糞。被告人を罰金150万円に処する。
8章:控訴審
第8章は超胸熱。壇さん漢や。
9章:高裁判決
晴れて逆転!無罪!!
10章:最高裁決定
Winny事件は無事終了しましたが、金子さんの技術者としての時間が奪われたことは悔やまれます。闘われた皆さんお疲れ様でした。
改めて、本書はWinny事件について振り返り、理解したい人にはおすすめだと思います。個人的には全エンジニアに読んでもらいたいくらいです。金子さんのパソコンオタクマインドは心に来るものがあります。
金子さんは2013年に亡くなってしまいましたが、こうやって壇さんが本を出したり、映画になったり、当時の誤解が解消されて欲しいのと同時に、金子さんの偉大さも併せて知れ渡って欲しいなと思っています。
あと、ブロックチェーンでP2Pが使われていますが、論文を出した「サトシナカモト」が金子さんの技術を参考にしていた、とかだったら胸熱だなあとww
とにかく、良い本です(良い本というか壇さん自身が書いてるんですが)!